「だしにまつわるエトセトラ」が開催されました。
奥平さんが伝えたい「だし」への想い!
和食に欠かせないだし。
代表的なだしの食材には、昆布、鰹節、いりこなどがありますが、
淡路島出身の奥平さんにとっては、幼少の頃からご実家で食べていた
淡路産の煮干しイワシ(いりこ)だしは特別のもの。
現在も創業1860年の淡路島の海産物問屋「出口商店」から
「いりこぶだし」を購入し、毎日のお料理に役立てているとおっしゃい
ます。この淡路のいりこと相性抜群なのが、北海道産昆布。ということ
で、いりこのイノシン酸と昆布のグルタミン酸のうまみの相乗効果の話
や美味しいだしの取り方、昨今、北海道で深刻な問題となっている昆布
の収穫減の話など、だし文化の「いま」を様々な観点からご紹介してく
ださいました。
●昆布の表面の白い粉はカビではなく旨味なので、水洗いしないでうまみを残す。
●昆布は、だしが出やすいように、数箇所ハサミを入れる。
(切りこみを入れると旨味は出やすいが、粘り、えぐみなども出やすい。
粘りはアルギン酸やフコイダンという水溶性植物繊維で体によい成分)
●引き上げた昆布は、まだ中にだしが残っているので、もう一度僅かな水につけて、10分くらい置き、
だしに足す。
●だしをとった後の昆布は、醤油と砂糖とみりんで煮込んで佃煮に。
など、奥平流だしのコツも満載でした。
地球温暖化による漁業・農業への影響!
続いて、兵庫県環境部水大気課の望月松寿さんから、海水温の上昇に
よる漁業への影響について。日本近海の海面水温はこの100年で1.19度
上昇しており、ノリの養殖の開始時期の遅れやイカナゴ、アナゴの不漁
など危機感をつのらせている状態であること。また、兵庫県農林水産部
流通戦略課の澤田和也さんから、コメの品質低下や野菜の着色不良など
農業への影響と、これに対応するための新品種の開発や栽培技術の工夫
など様々な取り組みについて教えていただきました。夏休み中の開催と
いうことで小学生や中学生の姿も。郷土の温暖化対策について熱心に
耳を傾けている様子は頼もしい限りです。兵庫の美味しさを次の世代に
つなげるために、改めて意識と関心を持つことが大事だと感じました。
お話の途中で、だしのテイスティングタイム。昆布といりこのだし、
鰹と昆布のだし、昆布といりこのだしに薄口醤油と塩を加えたものの
味くらべです。「昆布がいかに料理を後ろから支えてくれるか、お分
かりいただけると思います」と、白井さん。試食メニューは、美味し
いおだしで作るかやくご飯、茄子のお吸い物、高野豆腐の煮物の3品。
とくに、だしのきいた具だくさんのかやくご飯が子どもたちに大好評。
白井さんの「何が美味しかった?」の問いに、全員が「かやくご飯が
すごく美味しかった!」と答えてくれ、「おかわりないの?」の声に
会場は笑いに包まれました。今回のイベントはキャンセル待ちが出る
ほどで、食事は40人分程用意する盛況ぶりでした。
JA兵庫六甲マチマルシェ御影
神戸市東灘区御影郡家1-14-8
TEL 078(858)6021
営業時間 10:00〜18:00
「出口商店」
兵庫県洲本市本町5-2-18
TEL 0799(22)0979
営業時間:9:30〜18:30 定休日:木曜