兵庫 食の応援団

但馬の酒蔵「香住鶴」 全量を生酛系酒母でつくる、全国的にも稀少な蔵!

1725年創業。「香住鶴」は酒母づくりにこだわり、乳酸菌より乳酸を

生成させ酵母を育て上げる伝統的手法「生酛(きもと)、山廃酛(やまは

いもと)」で酒造りを行っています。速醸酛を使用するのと比べ、
2倍以上の手間と時間がかかるこの手法は、仕込みの中で何本か行って
いる蔵は多くとも、全量をやっているのは、全国でも珍しいのだそう。

今年代替わりされた第十代目当主福本和広さんにお話を伺うと、いま、

酒米づくりの環境が変わりつつあるといいます。「温暖化のせいではな

いかと考えられますが、新潟の酒米で五百万石という品種があり、
西日本では豊岡市が一番の産地だったんです。が、今はほとんど栽培さ

れていません。五百万石は米質がやや硬く溶けにくく、淡麗辛口には
欠かせない酒米。兵庫には不動の地位を守り続ける山田錦がありますが、

今後環境の変化が様々な影響を及ぼしてくるのではと懸念しています」。

伝統を守り継ぐためにも、何ができるか、考えていかねばならない問題です。

 

 

 

「酒造りは、針の穴を通すような感覚で、丁寧にじっくりと仕込んで

いかねばならず、そんな局面が何度も来る。少し気を抜くと失敗してし

まうから、本当に神経を使います。米の品質も毎年違いますし、これが

『酒造りは毎年が1年生』と言われる所以。でも、だから面白い。
うまい酒ができた時の喜びは、ひとしおです」。

 

お問い合わせ先:香住鶴株式会社

兵庫県美方郡香美町香住区小原600-2

TEL 0796(36)0029

URL https://www.fukuchiya.co.jp/